熱中症にご注意


熱中症について

 夏の繁忙期の真っ只中にあって皆様、ご多忙のことと思います。
さて、テレビや新聞で『熱中症で死亡・緊急入院』の記事を多く目にする事が多くなりました。私達が働く環境は、冷房が効いている快適な職場環境と異なり、 屋内現場はサウナ室・屋外においては熱せられたフライパンの様な仕事場で、しかも限られた時間の中で仕事をする過酷な環境に有ります。
 私達自身で、自己管理を行い、予防対策を講じる必要が有ります。

屋外作業中に、熱中症で死亡事故
  • 被災当日の朝、被災者は通常通り出勤し会社の車で午前8時20分に現場に入り作業開始。
  • 10時から30分の休憩(冷房の効いた部屋)作業を12時まで続け、一旦会社へ戻る。
  • 作業中に被災者は、頻繁に冷水を飲んではトイレに行っていた。
  • 13:00から作業開始、14時頃木陰で20分の休憩『水を飲んでも汗が出ない昼に薬を飲んだせいかな?』と訴えていた。
  • 作業開始後、突然被災者が、自分が使用していた脚立を片付け始める。
  • 脚立を運ぶが安定感に欠けていた為、同僚が身体を支えると『大丈夫だ』と言う言葉と何か聞き取れ無い言葉を発しながら、同僚の手を払いのけ歩きもふらついていた為、日陰で休ませ更に車の冷房を効かせながら20分ほどで病院に搬送16:15頃、死亡した。
体調不良は、熱中症の引き金になります!!!

 疲労の蓄積・寝不足・二日酔い・風邪・下痢などの体調不良は『体温調整能力が低下する。』
 熱中症は体調が大きく関係しており、『傷害保険などが適用されない場合も有る』

 救急病院の医師から、この様な指導がありました。!
 ミネラルウォーターでは無く、塩分が含まれた飲み物(スウポーツドリンク等)を摂る事が大切。
 (1) 汗をかくと、汗と同時に身体の塩分が体内から出る、従って塩分が少なくなる。
 (2) 汗をかき喉が渇き、ミネラルウォーターなどの塩分が含まれていない飲み物を補給していると汗で体内の塩分が更に薄くなるという繰り返しになる、大変危険である。

飲水方法は、『強制飲水』が安全
 時間を設けて強制的に飲ませる方法(強制飲水)と個人の好きな時に飲む事が出来る(自由飲水) と言う二通りが有ります。
 自由飲水に付いては、一般的に用いられていますが注意が必要です。
  • (1) 水分補給の具体的で自分に合った飲み方や知識など給水の重要性を夫々が会得している事。
  • (2) 環境が何時でも飲める雰囲気と時間的な余裕がある事。
  以上の二つの条件が満たされていなければ、実態は昔の体育会系で『運動中は水を飲むな』と、同様で何時熱中症で倒れるスタッフが出てもおかしくない状況にあります。
 個人の性格を考えると、我慢強い、引っ込み思案、まじめな性格、充分な知識と環境が無ければ、飲まなくとも大丈夫などと雰囲気に圧倒され機会を逃してしまう。
 定期的な休憩を取り、そこで強制的に水分と塩分を補給させる。
※水分の補給(喉が渇いたと思ったときは、既に遅い!補給は早めに摂る!)
  補充のタイミング 補充量目安 補充飲料
作業前 作業の直前(30分程前) 250〜500mlを数回に分けて補充 塩分濃度0.1〜0.2%
糖度濃度 3〜5%
(スポーツドリンク等)
(炭酸飲料・ジュースなどは、糖分が多く 身体の中の糖分が濃厚になる危険性)
作業中 15〜30分毎に補給
常時持ち歩く事を心掛ける
一回に一口〜200ml程度を目安に
500〜1000ml(一時間毎に)
作業後 直後〜就寝前まで   瓜科の果物は熱さまし(スイカなど)
1.熱中症の種類(下記の症状が段階的に進むことでは有りません)
(1)熱失神(ネツシッシン)
 暑熱の環境の下では、体温の調整の為に皮膚の血管が拡張しています。
 この様な皮膚の血管の拡張によって、血圧が低下し脳血流が減少しておこるもので、『めまい』や『失神』等が見られます。
(2)熱疲労(ネツヒロウ)
 大量の汗をかき、水分の補給が追いつかないと、脱水がおこり熱疲労の原因となります。
 『脱力感』『倦怠感』『めまい』『頭痛』『吐き気』等の症状が見られます。
 
(3)熱痙攣(ネツケイレン)
 汗をかくと水分と塩分が失われます。
 汗の塩分濃度は血液の塩分濃度より低い為、大量の汗をかくと血液の塩分濃度は高くなる。
 大量の汗をかき、水だけを補給した場合には、反対に血液の塩分濃度が低下し結果『腕・足・腹部などの筋肉に痛みを伴った痙攣が起こる』
 暑熱の環境下で長時間の作業を行い、大量の汗をかく時に起こるものです。
(4)熱射病(ネッシャビョウ)
 高温の環境の下で激しい運動を行うと、運動により発生した熱が身体の表面から放散する事が出来ずに体温が上昇しその結果、脳の温度が上昇して体温調整中枢に障害がおよびます。
 『意識障害(言動がおかしい)(応答が鈍い)(意識が無い)』『頭痛』『吐き気』『めまい』等の前駆症状やショック状態などもみられます。
 又、血液の凝固分子が消耗し『血液が固まらない』『脳・心・肺・肝等の臓器障害を合併』『死亡率も高い』
2.症状が出た場合の処置

※暑さの中で少しでも体調不良を感じたら無理をしないように。

  • 1. 衣服をゆるめて楽にする。
  • 2. 風通しの良い日陰や、冷房の効いたところに移動る。
  • 3. 冷たい水で冷やしたタオル、ペットボトル等で、脇の下や足の付け根を冷やす。
  • 4. 早めに医療機関で受診する。
3.熱中症の発生時刻
グラフ:熱中症の発生時刻
4.事故発生までの時間
グラフ:事故発生までの時間

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                           情報提供:
NPO法人 日本舞台技術安全協会


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