~2月のDI値、9指標中7指標が上昇9指標中全指標が悪化~
(平成28年2月末現在)
(平成28年2月末現在)
全国中小企業団体中央会
平成28年3月23日 発表
平成28年3月23日 発表
《概 要》2月のDIは、9指標中7指標が上昇し、中でも売上高DIは前月比7.5ポイント上昇に転じたが、景況DIは引き続き低迷しており、企業経営における売上増が景況感の改善には繋がっていない。
年度末需要や稼働日の増加等が売上高を押し上げた一方、労働力不足や消費者の廉価志向も一層顕在化しており、また株安・マイナス金利実施など金融環境の流動化も相俟って、中小企業の先行きは依然として予断を許さない状況にある。
2月の調査結果のDI概況
【指標DIの動向とポイント】
1.2月のDIは前月比で9指標中7指標が上昇。
2.主要3DIのうち、売上高はー20.5と前月比で7.5ポイント上昇したが、景況は依然として年始来の低水準が回復せず、(DI間に)大きな落差が生じている。
3.設備操業度DIは好転したが、それに伴って人手不足(雇用人員DI)が悪化。また非製造業の在庫数量DIも引き続き下落し、依然として個人消費の減退は改善していない状況にある。
【情報連絡員からの報告のPOINT】
1. 年度末需要が動き始め、閏年による稼働日の増加等も売上高を牽引したが、他方で実質賃金の低迷による消費者の廉価選好や価格競争も熾烈になっており、収益幅の圧縮・薄利多売の経営環境は依然として改善されないため、一時的な売上増進にあっても、景況感の下振れ懸念が緩和されない状況にある。
2.受注増に伴う稼働率の好転が慢性的な人手不足を一層悪化させる事態を招き、受益機会の損失や人件費上昇等も重積していることから、年度末を控えて雇用が事業計画の大きなリスク要因(損益分岐点の上昇圧力)となっている。
3.日銀の「マイナス金利」政策を受け、低金利は不況時の指標でもあるために景気後退を改めて実感したとする声が多く、また年始来の株安動向も相俟って金融環境の流動化が実物部門に波及しつつあり、(物資の過不足だけでなく)信用不安から来る需給の不均衡を引き起こし始めている。
詳細は、「平成28年2月の中小企業月次景況調査」
全国中小企業団体中央会のホームページにてご覧ください。
http://www2.chuokai.or.jp/keikyou/kei16-02.htm
本調査は、都道府県中央会に設置されている情報連絡員〔中小企業の組合(協同組合、商工組合等)の役職員約2,600名に委嘱〕による調査結果です。
調査の対象は、情報連絡員が所属する組合の組合員の全体的な景況(前年同月比)です。
本発表資料のお問い合わせ先:全国中小企業団体中央会担当 経営支援部
(http://www.chuokai.or.jp/) TEL 03-3523-4904